exhibition
三井田盛一郎 展
『怪獣の目』
2023年5月27日 (土) 〜 2023年6月6日 (火)
Sat May 27th 2023 〜 Tue Jun 6th 2023
「怪獣の眼」をめぐるテキスト
“小っちゃい“怪獣たちに違いない。
DMデザインは “大 怪 獣“ わくわくする。
Little Story -小さなお話- は、1年前KTO blues dressでの展示タイトル。
そしてこんなことを書いている。
「描く。するとヒトや花、風景に模様、何か愛のようなお話が、現れる。鬼や天使、巨人は人の世界から離れて彼らの倫理を実行してくれる。悪くない世界。描く。すると確かに、何か像が結ばれる。現れる世界は、描かれる瞬間、横滑りを起こす。描こうとしていた事をすっかり忘れて、ヒトは木に、花は顔に、顔は風景に変身する。多分。絵は、私に自由に振る舞い、私は絵を自由に扱おうとはしていない。
そうやって、小さなお話は続いていく。」
今年のKTO、タイトルに「怪獣の眼」を選ぶ。絵に現れるものたちを、見ているものや見られているものたちは「怪獣の眼」。窓かもしれないし、本当に眼かもしれない。窓のこちら側と向こう側は、繋がっているようで、繋がっていない。それでも、乗り越えたり、潜り抜けたりする怪獣、覗き見ている怪獣たちがいる。怪獣の姿は様々で、時にこちらに視線を向けているだけで姿すら現さない。姿を表さない時、それが見た世界は、やはり人のそれではないけれど怪獣の眼には、ヒトや花、風景に模様、何か愛のようなお話が、鬼や天使、巨人たちが映っている。そこは、御伽草子の場面にも妖精のいる草原にも似ている。私の部屋にも似ている。
窓が開く。
怪獣が窓を開ける。
油絵を描いた。油絵のイメージは、浮いたところにある。
窓の外のイメージも横滑りして、別の窓を乗り越えてくる。
2023年5月 愛する人の誕生日に
三井田盛一郎
赤い怪獣』
2023年
37.5/25.5cm,
oil on paper
『ピンクの怪獣』
2020年
36✕24cm
oil on paper
■作家略歴、展覧会略歴(個展、グループ展)■
三井田盛一郎/MIIDA SEIICHIRO
1965年 東京生まれ
1992年 東京芸術大学美術学部絵画科油画専攻 卒業
1993年 東京芸術大学大学院美術研究科修士課程(版画)中退
現在 東京藝術大学版画研究室 教授
展覧会と作品
1992年 ‘92版画「期待の新人作家」大賞展 大賞受賞
1996年 第25回現代日本美術展 佳作賞受賞(東京都美術館、京都市美術館)
1997年 リュブリアナ国際版画ビエンナーレ展 コミッショナー:針生一郎
1998年 VOCA展‘98 上野の森美術館 Work ‘97”景色のある”
1999年 Exhibition MIIDA SEIICHIRO InnGalerie(オーストリア)
2000年 町田市立国際版画美術館作家招聘 次代をになうアーティスト達①三井田盛一郎展
2002年 木村秀樹・三井田盛一郎・吉岡俊直 展ギャラリー旬(名古屋)
2003年「JOINT RESEARCH & DEVELOPMENT展」ディー・クライネギャラリー(ウィーン)
2004年 “Ispa JAPAN NAGOYA” 「日本の木版画100年展−創作版画から新しい版表現へ−」
名古屋市美術館(同美術館、大学版画学会主催)
「JOINT RESEARCH & DEVELOPMENT展」 SCHLOSS LANDECK(ランデック市美術館/オーストリア)
2004年 Ispa JAPAN「国際現代版画展—The PLATE」*東京芸術大学大学美術館陳列館
2006年 EXHIBITION 2006 a landmark MIIDA SEIICHIRO GALLERYゆう(岐阜、大垣)、EXHIBITION a plate MIIDA SEIICHIRO ギャラリー旬(名古屋)
2007年 GRAPHICA/Final Destinations 京都市美術館
2009年 EXHIBITION MIIDA SEIICHIRO 尾道市立白樺美術館(現尾道市立大学美術館)
2012年 PAPER-UNPAPAER MUSEUM of China Central Academy of Fine Arts中央美術学院
2013年 Print Art Trienniale in Kyoto 京都市美術館
2014年 「木版ぞめき―日本でなにが起こったか―」東京藝術大学大学美術館
三井田盛一郎展 アートゾーン神楽岡(京都)
2015年 Exhibition MIIDA SEIICHIRO – “岸壁の父母-此の人の月日” Higure17−15 cas
「版画とコード・会議と展覧会」 四川美術学院 (重慶・中国)
Exhibition MIIDA SEIICHIRO – “岸壁の父母-此の人の月日” Higure17−15 cas
2017年 日中交流展「紐帯」寧波美術館(中国 寧波)
2020年「共鳴する刻[しるし]―木口木版画の現在地」CCGA現代グラフィックアートセンター(福島)
2021年 版は物語る 文房堂ギャラリー(東京、神田)
他、個展多数
『怪獣の眼“緑の人”』
2023年
60✕50cm,
oil on canvas
『怪獣の眼“水辺”』
2023年
50✕60cm,
oil on canvas